鳥山明「SAND LAND」23年の時を経てアニメ映画化!キャラクタービジュアルも解禁

鳥山明の原作による漫画「SAND LAND」のアニメ映画化が決定。8月18日に全国東宝系で劇場公開される。あわせてキャラクタービジュアルが解禁された。

同作は、「ドラゴンボール」連載終了後の2000年に、週刊少年ジャンプ(集英社)で短期集中連載された作品。魔物と人間が共存する、水を失った摩訶不思議な砂漠の世界を舞台に、悪魔の王子・ベルゼブブが、魔物のシーフ、人間の保安官・ラオと、砂漠のどこかにある“幻の泉”を探して旅に出るさまが描かれる。

キャラクタービジュアルには、ベルゼブブ、シーフ、ラオが解禁。背景にはそれぞれのイメージカラーが用いられた。

鳥山明(原作者)コメント

「SAND LAND」はいつどのように誕生したのか
「ドラゴンボール」も終わり、いろいろ短編や読み切りも試してみたし、最後のつもりで今の自分を出し切った作品を描いてみようと思いました。
今思っても、コミックス1巻分限定とはいえ、週刊連載だったのにアシスタント無しで、すべて一人だけでよく描いたな。って自分で驚きます。

(「COWA」が一番と知りつつ)「SAND LAND」が最も好きな作品と言い切れる部分はあるか
自分でマンガを描く場合、好みなのは地味目で軽い内容。という受けにくいもの。
じつはこれでも、軽いって部分を抑え、頑張って真面目なストーリーにしたつもりなんですよ。

理屈からいえば、自分の最新作のマンガが一番好きなはずです。
しかし今から思えば、少なくても画力と気力は
この「SAND LAND」を描いたあたりはスゴかったなって感じがします。

鳥山本人だけが感じる、本作の独自の魅力や特徴とは
「SAND LAND」は、ペン入れした紙原稿をスキャンしてPCに取り込み、ソフトを使ってベタ塗りや自作のトーンを貼って仕上げました。
たぶんほとんど寝てなかったんじゃないかな……。
全話描き終えた後、デビュー前から使っていた愛用の木製ペン軸を失くしてしまいました。
ナイフやサンドペーパーであれこれ削ったり、使っているうちにすり減ったりして長い時間をかけて手に馴染んだペン軸でした。
新しいペン軸を買って、あれこれ削ってみたものの、どうもしっくりきません。
以降、マンガをほとんど描かない言い訳にしています(笑)。

キャラ、メカ、世界観、ストーリーが凝縮された、「鳥山色」がとても強い作品と評されることをどう思うか
たしかにそうかもしれませんね。読者のことももっと考えなきゃいけないのに、好みを優先してしまった気がします。プロ失格かもしれません。

23年経って映画化されることをどう思うか
これを楽しいって言ってくれる人って、まさに僕にとっては、わかってる神ファン!って感じじゃないでしょうか。

現状の制作中の映像等を見てどのように感じたか
拝見したのはまだまだ未完成な部分が多い映像でしたが、それでも非常に高いクオリティは十分に感じられました。
まさか映像化されるなんて思ってもみなかった上に、このクオリティですから、この時点で夢のようです。

(c)バード・スタジオ/集英社 ©SAND LAND製作委員会