2022年11月7日
新千歳空港国際アニメーション映画祭では、これから制作する(もしくは現在制作中の)プロジェクトについてプレゼンテーション機会を創出する「NEW CHITOSE AIRPORT PITCH」を開催しています。この企画は、豊かなアニメーション文化の育成を図るべく、日本で活動するアニメーション作家がオリジナル作品の制作資金を募るプレゼンテーション機会を創出するほか、本映画祭事務局より最大1プロジェクトに、製作支援金付きのアワードを授与するものです。 11月4日(金)のプログラムでは、本年も2回目となる「NEW CHITOSE AIRPORT PITCH 2022」が企画され、今年の8つのプロジェクトについてのピッチ(5分間の公開プレゼン)と、昨年アワードを受賞した川尻将由監督の初の長編作品『CHERRY AND VIRGIN』の製作経過についてプレゼンテーションいただきました。
本年のピッチコンテスト受賞プロジェクトは、宇宙人VTuberぽぷろいの「ぽぷろい放送局」 2年目となる「NEW CHITOSE AIRPORT PITCH 2022」では、日本国内で活動する作家たちによる、総勢8つの意欲的なプロジェクトの応募がありました。 受賞プロジェクトは、宇宙人VTuber ぽぷろい氏のYouTube配信プロジェクト「ぽぷろい放送局」に決定しました。この作品は、ポップコーンの惑星で生まれた宇宙人「ぽぷろい」が、自らの経験を映像化するドキュメンタリープロジェクト。ぽぷろい放送局をYouTubeにて開設し、配信を予定しています。
VTuber ぽぷろい氏
ティザー動画より
チーフマネージャー 小野朋子は「いずれのピッチもここまで作り込んでいるもので驚いた。どれも完成した時には相当面白いものになると確信している。8つのプロジェクトの皆さんには深く感謝します。何らかの形でご一緒くださるプロデューサー・企業様がいましたら、ぜひご連絡ください」とし、ぽぷろい氏の受賞について「映画祭自体も新しさ、存在意義を拡張していきたい思いの中、もしかしてこんなこともできるのではないかともっともワクワクした気持ちを優先した。またティザー映像も今現在個人で作り込まれているレベルで圧倒された」と評しました。
また受賞したVTuberぽぷろい氏は「素直にありがとうございます。宇宙人を支援してくれるなんて前代未聞なんじゃなかと驚きしかありません。VTuberがアニメーションとして評価してくれたこと、さらにこれから表現者になりたいと思っているさまざまな生物の背中を押すきっかけになると思っている。故郷のみんなに地球もいいところだぞと伝えるために、全力で頑張りたい」と喜びを伝えました。
本プログラムは1ヶ月間のアーカイブ配信にてご視聴いただけます。
ワーク・イン・プログレス:川尻将由監督長編作品『CHERRY AND VIRGIN』 | NEW CHITOSE AIRPORT PITCH 2022
13:00「ワーク・イン・プログレス:川尻将由監督長編作品『CHERRY AND VIRGIN』」2018年に制作した短編『ある日本の絵描き少年』が毎日映画コンクール・大藤信郎賞をはじめ多くの映画賞を受賞した、川尻将由監督。本映画祭でも観客賞を受賞し、大きな話題を呼びました。このプログラムでは、川尻監督が現在製作…
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ワーク・イン・プログレス 川尻将由監督の初の長編作品『CHERRY AND VIRGIN』 2018年に制作した短編『ある日本の絵描き少年』が毎日映画コンクール・大藤信郎賞をはじめ多くの映画賞を受賞した、川尻将由監督。本映画祭でも観客賞を受賞し、大きな話題を呼びました。『CHERRY AND VIRGIN』は、「NEW CHITOSE AIRPORT PITCH 2021」でアワードを受賞。製作支援金として30万円をお送りした映画祭が応援するプロジェクトです。
VIDEO
川尻将由監督
本作は、女性に免疫が無いエロ漫画家の遼(32歳)と、腐女子で現実の男性に良い印象を持たない亜美(28歳)の、普遍的なラブストーリー。 互いにリアルな男女関係が苦手な二人が出会い、とまどいながらも他者と交わって生きることの意味を知っていく、可笑しくも愛おしい物語です。前作同様、作品ベースはアニメーションでありながらも、実写、漫画の要素を取り入れ、従来のアニメーションの枠を超えた、独創的な映像表現で描かれます。
キャラクターの背景や気分・考え方の違いによって絵柄や作風が変わることや、主人公二人それぞれの世界観を持った2種類のメインビジュアルについて「一つの作品の中に、性差や価値観あらゆる考え方があって、答えを一つにしない」と説明。オルタナティブアニメと銘打ったことについて、視聴体験や媒体が変化している現代、映画とは何かと考えた時に「感情が一色じゃなく割り切れないものを伝えるものではないか」と考えたと述べ「従来のアニメだと絵が統一された世界になり、一つの価値観のような窮屈さがあるように思う」「男女が恋愛で出会い他者の考えに触れることを映像として表現するのであれば、キャラクターデザインが違う方がコンセプトとして表現できるかなと思い挑戦している」と、制作コンセプトとこだわりについて説明しました。
川尻将由監督プレゼンテーションと『CHERRY AND VIRGIN』メインビジュアル
初公開となった『CHERRY AND VIRGIN』メインビジュアル 2種類
その今までにない制作プロセスで作られている本作ですが、年内完成の予定だったが制作はかなり遅れているとしながら、作画担当のマンガ・イラスト絵をそのまま動かそうとした際の難しさ・大変さについて触れつつ「作画スタッフ、特に男性パートの原画を一人で全て担当する高柳カツヤ氏の仕事はアニメ史に残る偉業になると思っているので、もう少しお待ちいだたければ。」と締めくくりました。
ワーク・イン・プログレス:川尻将由監督長編作品『CHERRY AND VIRGIN』 | NEW CHITOSE AIRPORT PITCH 2022
13:00「ワーク・イン・プログレス:川尻将由監督長編作品『CHERRY AND VIRGIN』」2018年に制作した短編『ある日本の絵描き少年』が毎日映画コンクール・大藤信郎賞をはじめ多くの映画賞を受賞した、川尻将由監督。本映画祭でも観客賞を受賞し、大きな話題を呼びました。このプログラムでは、川尻監督が現在製作…
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新千歳空港国際アニメーション映画祭について 新千歳空港国際アニメーション映画祭は、北海道と世界を結ぶゲートウェイである新千歳空港ターミナルビル(北海道千歳市)を会場とした、アニメーション専門の国際映画祭です。第9回目の開催となる今年も、国内外の話題作など招待作品の上映はもちろん、アニメーションの“いま”を多角的にお届けするプログラムを展開し、来場者へ最新情報と国際的な出会いを共有できる場を提供します。
■実施概要 名称:第9回 新千歳空港国際アニメーション映画祭 開催日程:2022年11月3日~2022年11月6日 会場:新千歳空港ターミナルビル(新千歳空港シアターほか) 公式サイト:https://airport-anifes.jp/
第9回 新千歳空港国際アニメーション映画祭
空港全体で発信する、空港だからできる映画祭 「第9回新千歳空港国際アニメーション映画祭」2022年11月2日(木)~6日(日) 新千歳空港ターミナルビルにて開催! 募集期間:コンペティション部門募集開始 ⇒ 2022.04.18 MON〜グランプリ賞金100万円
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